元教師による支援局[教師向け]行事への取り組み
2016.06.18
学校では、子どもたちの成長を目指して、さまざまな行事に取り組みます。
特に、文化的、体育的な行事は教師と子どもたちとの交流が深まり、たくさんの感動を味わうことができ、いい思い出ができます。
教師としてのやりがいも生まれます。
中学校では、体育祭(運動会)や文化祭、合唱コンクールなど、学級別に順位を競うものがあり、学級全体が優勝を目標に取り組み、大いに盛り上がります。
学級担任としてもなんとか上位入賞させたいと思いますが、うまくいかず悩むことがあります。
後輩教師から学校行事についての相談がありました。
「うちのクラスはおとなしくて運動能力が劣っている子が多いので、体育祭で優勝できそうにない。合唱も無理だ。あるクラスは元気で活発な生徒が揃っているからいいけど、うちのクラスでは、いくら指導しても勝てるはずがない。」
ということでした。
私にも覚えがあります。
最初に赴任した中学校は、学級王国の感があったように思います。
生徒が問題を起こしたら、学級担任の指導力がない。
いい学級は、担任がいいからだ、というような雰囲気がありました。
当然、体育祭や合唱コンクールなどで優秀な成績が取れると担任の力のように言われるので、担任はそのために必死だったように思います。
学級目標が「賞状20枚!」 という学級が出てくる状況で、経験の浅い私もこんな目標、何だかおかしいと思いつつも、その流れにのっていました。
優勝するために、指導力がないと言われないために頑張ったつもりですが、結果は思うようにはいきませんでした。
その後、異動した中学校で、考え方が変わりました。
何のため、誰のための行事なのだろう?
生徒は当然、優勝を目指して頑張りますが、指導する者は、それを通して何かを感じ、考え、何かを得る。
少しでも成長してくれることを願うべきではないのか。
例え望む結果が得られなくても、生徒たちが心を一つにして取り組む過程が大切なのだと考えるようになり、
「もちろん、優勝してほしいと思うけど、みんなが心を一つにして、頑張ってくれれば、それだけで先生は満足です。」
心からそう伝えるようになりました。
不思議なもので、そう考えるようになってから、上位入賞が取れるようになったのです。
そんな経験を話しながら、彼女の心の中に、4月当初からの不満(学級編成の偏りを指摘しても聞き入れられなかったこと)が残っていることに気づきました。
でも、彼女の誠実さや責任感の強さは、他からも認められていると思うので、
周りの目を気にしたり、目先のことにとらわれたりしないで、とにかく生徒のことを一番に考えて、前向きにすすむようアドバイスしました。
「優勝できないクラス」で落ち込むのではなく、
「優勝に向かって頑張れるクラス」を目指していくほうがいいと考えます。
生徒たちが目標に向かって一生懸命に取り組むこと。
そうすれば、結果は自然に付いてくる。
いい結果でなくても、頑張った過程があれば、次のステップにつながっていくと思います。
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