元教師による支援局[教師&保護者向け]生徒は担任を選べない
2016.10.08
在職中に、生徒たちからよく質問されたのが、学級編成のことでした。
「どうやって、クラスを決めているんですか?」
それは、内々のことなので、当然教えられません。
「先生たちが、ジャンケンをして好きな子を一人ずつ、選んでいくんだよ。」
「くじ引きみたいに、生徒の名札が入っている箱から引いていくのよ。」などと、子どもでも冗談とわかるようなことを言って笑い合ったことがあります。
生徒にとっては、1年間の学校生活が左右される大事なものなので、教師も時間をかけて編成していきます。
そこには、教師たちの人柄が反映されて、戸惑うことがありました。
学校によって、多少の違いはあると思いますが、生徒の生活態度や学習成績、性格、係活動、友人関係、部活動、家庭環境などといった情報を総合的に捉えて、どのクラスも公平になるように考えます。
かつての私の経験談です。
学級編成がほぼ決まり、見直し作業に入った頃です。
次期の担任は決まっていたので、自分がどのクラスを持つのか、喧々諤々の状況になりました。
自分が担任したいと思う生徒を、できるだけ自分のクラスに入れようとしている感じがあったのです。
「この子は私のことを嫌っているので、担任になってもうまくいかないと思う。この子のためにも外してほしい。」(あなた自身がこの子を嫌いなんでしょう。)
「真面目なリーダーの子は、私には性が合わないからいらない。」(自分はいい加減なところがあるので、真面目な子はやりにくいのでしょう。)
一人の教師が言い出すと、他の教師もあれこれ理由をつけて、わがままを言い出す始末です。
学年主任として見守ってきた私も、さすがに呆れてしまいました。
今まで何のために長い時間をかけて編成してきたのか。
ここで、ひっくり返されると、偏った編成になってしまいます。
経験の浅い教師なら配慮はしますが、皆ベテランの人たちでした。
好きでも嫌いでも、どんな生徒でも責任をもって受け持つ姿勢が大切なのに、がっかりしました。
皆のわがままを抑えつつ、学級編成は終わりましたが、腹に据えかねた私の言葉です。
「先生たちは、これから若い先生たちを引っ張っていかなければならない立場にあります。そういう人たちが何をわがままな事を言っているんですか。誰でもどーんと引き受ける気持ちを持たなくてはダメですよ。」
今でも、学級編成の時は「言った者勝ち」的なところがあるような話を、後輩たちから聞きます。
「担任教師は生徒を選べても、生徒は担任を選べない」ということを肝に銘じて、どんな生徒でも受け持てる姿勢を身に付けることが必要だと思います。
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