摂食障害克服記 (第十八回目) 【高校2年 10月 – 修学旅行と心の変化】
2016.02.29
ハートフルライフカウンセラー学院のスタッフ、鳥沙ゆきこです。
前回(摂食障害克服記 (第十七回目) 【高校2年 10月 – 修学旅行への不安】)は、修学旅行へ行くにあたり、不安に感じていたことにつてい書いてみましたが、今回はその続きです。
食事など、いつもの生活スタイルが保てない修学旅行は全く行く気になれず、当日に体調が悪いと言って、欠席すればいいと思っていました。
しかし、修学旅行の計画を進めているうちに少しずつ考えが変わってきました。
大きな理由はグループ行動です。
学年全体の行動とは別に、男女2名ずつのグループを作り、各グループで好きな観光地をまわるというものですが、まず、このようにクラスの中で自由にグループを作るといったときに私はいつも大きな不安を感じていました。
「自分と一緒に組んでくれる人がいないかもしれない」
「せっかくの修学旅行、私と同じグループになった人たちは楽しめないのではないか」
このような考えが頭に浮かびました。
でも、よく学校の休み時間に話しかけてくれるクラスメイトのAちゃんがこの修学旅行でのグループを作るとき、真っ先に私の所へきて「一緒のグループになろう」と言ってくれました。
私にとっては本当に有難く嬉しいことで、Aちゃんには感謝の気持ちでいっぱいでした。
「もし私が修学旅行を欠席したら、Aちゃんは女子1人になってしまう」同じグループになった男子2名とは、ほとんど話したことがなく、きごちない雰囲気だったため、それが気がかりでした。
自分が感じている修学旅行での食事等の不安より、「感謝しているAちゃんに迷惑はかけられない」という気持ちの方が大きくなっていったのです。
心の中での迷いはありましたが、私は修学旅行に参加することに決めました。
そして、不思議なことに行き先である沖縄では、元々不安に感じていたこと(食事や体重のコントロールなど)が実際それほど気にならなくなっていました。
例えば、戦争の跡が残る沖縄をまわるうちに、拒食症で「食べることが怖い」と言っている自分がとても小さく思え、情けない気持ちにもなり、自分のことがよく見えるようになってきたのです。
すると、低カロリーの食事へのこだわりが解けてきて、修学旅行中は何を食べても恐怖を感じることはありませんでした。
また、長時間クラスメイトと過ごすことに精神的な負担を感じていましたが、想像しているよりずっと楽に過ごせ、友達と一緒に自然に笑うこともできていました。
修学旅行前はマイナス面しか考えられませんでしたが、実際行ってみると、東京では見られない綺麗な海を眺められたり、沖縄のゆったりとした雰囲気に癒されて一時、心が健康になった気がしました。
沖縄の歴史や異国情緒あふれる環境に触れるなど、貴重な体験を通して自分を客観的に見つめられたことが大きかったと思います。
楽しく過ごせただけでなく、摂食障害としっかり向き合う機会にもなりました。
今回も「摂食障害克服記」をお読みいただき、ありがとうございました。
「摂食障害克服記」は毎週更新していきます。
よろしくお願い致します。
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