自閉症スペクトラム障害
自閉症スペクトラム障害とは、発達障害の一つであり、社会性の障害、コミュニケーション障害、想像力の障害を併せもつ。
広汎性発達障害とほぼ同じ概念を指し、自閉性障害やアスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害などが含まれる。
自閉症スペクトラム障害の症状
自閉症スペクトラム障害の症状には個人差はあるが、次のような特徴がみられる。
①対人関係
・一人でいることを好む
・他人への配慮が乏しい
・対人交流が受身的である
・一方的な対人交流
・相手と視線を合わせない
②言葉のコミュニケーション
・言葉の発達に遅れがある
・「おうむ返し」が多い
・言語による指示に対して理解ができない
・会話がかみ合わない
・比喩が理解できない
③非言語コミュニケーション
・ジェスチャー(身体の動き)が理解できない
・相手の目線(目の動き)が理解できない
④行動
・ある特定の物事に対して強い興味をもつ
・興味がもてないものに対しては集中すすことができない
・興味がある領域に関して膨大な知識をもつ
・常同的な動作を繰り返し、執着をもつ
⑤知覚・感覚
・視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚が過敏、または過度に鈍感
・感覚が過敏なことによりイライラや不安感を引き起こし、パニック状態になることがある
・人の顔が覚えられない
・距離感が測れない
・怒りの感情に対して強い恐怖感をもつ
・大きな音に対して恐怖感をもつ
⑥情報処理能力
・感情や時間など目に見えないものや、抽象的なものの理解ができない
・同時に2つ以上ことを行ったり、考えたりすることができない
・変化に対して混乱をする
・多様のものを見聞きすると、整理できず混乱する
・複雑な情報に対して、細部への過集中はあるが全体を捉えられない
自閉症スペクトラム障害による影響
①子どもの自閉症スペクトラム障害の場合
小学校入学以降では、周囲とうまく馴染めず適応困難によるストレスから頭痛や腹痛を引き起こしたり、感覚が過敏なことから周囲のざわつきによる音などの刺激が辛く、教室に入れないことがあったりする。
また、自閉症スペクトラム障害の子どもは友達とうまくコミュニケーションがとれないことから、いじめを受けることがあったり、それが不登校に繋がるケースもある。
学年があがるにつれ先生の指示も次第に抽象的となり、うまく対応できないために自己嫌悪に陥る場合もあるが、知的能力が高く学習面でその力が評価されたり、得意とする知識によって成果が得られると、ストレスをあまり感じずに学校生活が送れることもある。
②大人の自閉症スペクトラム障害の場合
相手の言葉の意味や気持ちがうまく理解できないことから、仕事に支障が出ることがあり、職場での叱責や失敗体験が続くと、自己評価の低下、自己否定から欠勤したり、引きこもりに繋がるケースもある。
ストレス対処が難しく、自閉症スペクトラム障害の二次的症状として、不眠、不安障害、抑うつ状態、摂食障害など様々な障害の出現もみられることがある。
自閉症スペクトラム障害の原因と治療
自閉症スペクトラム障害の原因については解明されていないのが現状であるが、生まれつき脳の機能が人と異なっていることにより発生する障害と考えられている。
治療の目標は症状を最小限に抑えることとなるが、精神的な二次障害に対して、カウンセリングによる精神療法、その症状を軽減させるための薬物療法が行われている。
また、オキシトシンの投与は、人の感情を読み取る働きを活発にし、自閉症スペクトラム障害患者のコミュニケーション改善の効果が認められている。
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