コミュニケーション障害

コミュニケーション障害(コミュニケーション障害群)とは、神経発達障害に含まれ、人と関わるような場所で他人と十分なコミュニケーションをとることができない障害のことをいう。
コミュニケーション障害の人は、自分の意思を相手に伝えたり、相手の意思を理解することに困難を感じる。

コミュニケーション障害の分類
コミュニケーション障害は下記のとおり分類することができる。
①言語障害
話す・書くといった言語の習得や使用における持続的な困難さがあることで、「語彙が少ない」「構文が限定される(文法および語形論の規則に基づいた分を形成するために単語と語の末尾を配置する能力に障害がある)」「話法(一つの話題や一連の出来事を説明、表現するために、語彙を使用して文章を繋げる能力)における障害がある」というものがあげられる。
また、その障害によって社会参加や学業成績、職業的遂行能力に制限をもたらす。

②語音障害
会話の分かりやすさを妨げる、言語的コミュニケーションによる意思伝達を阻むような語音の産出に持続的な困難さがある。
また、その障害は効果的なコミュニケーションに制限をもたらし、社会参加や学業成績、または職業的能力を妨げる。

③小児期発症流暢障害(吃音)
年齢に対して会話の流暢性が低く、それが長期に渡って続く状態。
例えば、「音声と音節の繰り返し」「子音と母音の音声の延長」「単語が途切れる」「発声を伴ったまたは伴わない会話の休止」「問題の言葉を避けて他の単語を使う遠回しの言い方」「言葉を発するときに過剰な身体的緊張がある」という特徴があげられる。
また、その障害は話すことの不安、効果的なコミュニケーション、社会参加、学業的(職業的遂行能力)制限を引き起こす。

④社会的コミュニケーション障害
言語的・非言語的なコミュニケーションの社会的使用に持続的な困難さがある。
例えば、「挨拶や情報を共有するといった社会的な目的でのコミュニケーションに欠陥がある」「その場の状況や聞き手の要求に合わせコミュニケーションを変える能力に障害がある」「あいづちを打つ、誤解されたときに言い換える等の会話のルールに従うことが困難」「明確に示されていないことや、曖昧な言葉の意味(ユーモアや隠喩、慣用句等)を理解することが困難」ということがあげられる。
また、その欠陥は話すことの不安、効果的なコミュニケーション、社会参加、学業成績、および職業的遂行能力の制限をもたらす。

⑤特定不能のコミュニケーション障害
上記のコミュニケーション障害、あるいは神経発達症群のいずれかの診断基準も完全に満たさない場合に適用される。

コミュニケーション障害の原因と治療
コミュニケーション障害の原因は、未だはっきり解明されていないのが現状であり、治療としては、二次障害として生じる自己評価の低下や自己否定感に対して、カウンセリングによる心理療法が行われる。
また、二次障害の症状を抑えるために必要に応じて薬物治療が行われる。
コミュニケーション障害者の家族に対しては、コミュニケーション障害をもつ本人との対応改善を図り、コミュニケーション障害者の良いところ探しおよび褒め方など家族としての対応法のトレーニングを行うこともある。

 

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