摂食障害克服記 (第五回目)【高校1年 10月 – 勉強と恐怖感】

2015.11.30

ハートフルライフカウンセラー学院のスタッフ、鳥沙ゆきこです。

今回は、私が拒食症によりカウンセリングを受けるきっかけとなった出来事についてお話しさせていただきたいと思います。

拒食症になって3ヶ月ほど経った頃、精神的に不安定になり、絶望感や原因不明な不安に襲われる日が続くようになりました。

当時、特に大きかったものは勉強に対する恐怖感です。

私は元々勉強が好きというわけではなかったので、成績は良い方ではなく、クラスで中間くらいでした。

ところが、あるとき父親がふと口にした「クラスでトップの成績をとるのは本人の努力次第」 という言葉が妙に頭に残りました

自分が努力をしていないと責められている気がしたのと同時に、「成績が優秀だったわけでもなく、仕事など日常でもさぼり癖のある父親にどうしてそんな事を言われなければいけないのか」 と悔しい気持ちになり、父親を見返してやろうと、テストでは毎回クラスで1位になることを決め、必死で勉強するようになりました。

学校から帰宅し、食事と入浴以外の時間はほとんど勉強に費やし、朝はいつもより1時間早く起きて苦手な分野を復習するようになりました。

そして、「努力すれば、その分だけはある程度の結果を得られる」勉強は自分の頑張り、価値を評価する指標になっていきました

いい成績をとる = 許される、安心感を得られる

目標の成績がとれない = 自分は価値のない人間だと感じる、自己嫌悪

自分が納得できない成績をとってしまったときは、絶望的になり強い焦りを感じて「もっと勉強しなければ」と自分を追い込んでいました。

ただ、この時はダイエットのため食事制限をし、十分な栄養がとれていなかったので体力が落ちている状態で、勉強が大きな負担となっていました。

それでも、自分を評価するものに「勉強」が大きな割合を占めていたため「体力がきつくても勉強はしなければならい」という強迫観念に駆られさらに精神状態が悪くなっていきました。

勉強にとても強い恐怖感を抱くようになったのです。

このような状態に「自分はもしかしたら正常ではないかもしれない」いう自覚が芽生え、もしこれを他の人に話したら、「変人だと思われきっと避けられる」と家族にも友達にも誰にも「勉強が怖い」とは言えませんでした

ところが ある時、ふと張りつめていた心の糸が切れ、勉強への恐怖感に耐えられず、母親の前で泣いてしまいました。

初めは「何でもない」と言い張っていましたが、涙が止まらず、恐る恐る そのときの自分の気持ちを母へ伝えました

すると、意外にも母は冷たい目で私を見ることはなく、むしろ心配してくれました。

そして、この頃から病院を訪問するようになり、カウンセリングを受けながら拒食症治療に向き合うこととなったのです。

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今回は、拒食症による精神的な変化「勉強と恐怖感」について綴らせていただきました。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
「摂食障害克服記」は今後も毎週更新していきます。
よろしくお願い致します。

 

 

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