元教師による支援局[教師&保護者向け]いじめに負けない心
2016.09.10
最近、またいじめにより自殺したという中学生の記事がありました。
その度に、調査委員会が設けられ、事情を明らかにするといった事態が起こっています。
昔も今も、相変わらずの悲しい事件です。
”いじめ”はネット社会になってから、特に増えました。
心ないメールやラインが一夜にして広がり、気づいたら自分だけが無視されたり、悪者扱いされたりするようなこともあるのです。
きちんと向き合って話せばわかることも、難しくなっている状況です。
私も、在職中は多くのいじめ問題に接してきました。
中学1年時の担任の女子生徒でした。
特に男子生徒からの暴言があり、陰に隠れての暴力もあったようです。
彼女は幼い頃からアトピーの痒みや皮膚の赤味に悩まされており、いつもおどおどした態度で、何があっても我慢をしているような子でした。
小学生のときから、ずっといじめられていたということで、ある意味慣れてしまっているようなところも見受けられました。
彼女へのいじめを繰り返す生徒たちに「人が嫌がっているようなことを絶対にしてはいけない。」と厳しく指導していましたが、その中の一人の生徒が
「でも、僕たちが何かやっても、あいつは嫌がってないよ。にやにや笑っているよ。」
彼らは、彼女が嫌がっていることは知っているし、彼女が笑いでしか表現できないでいることもわかっていながら、自分たちの行為を正当化して言うのです。
そうか、彼女が嫌がらないから、いいというのか。
そこで、私は彼女を呼び、気持ちを聞きました。
彼らの行為に対してどう思っているのか。
「嫌だけど、言ったらよけいにいじめられそうで・・・・。」
「彼らのしていることは許してはいけないこと。何も悪いことをしていないあなたが苦しむのはおかしい。嫌なことははっきり嫌だとみんなの前で言ってみよう。」ということで、 放課後、彼女と二人で練習をしました。
「大きな声で、はっきりと言う。大丈夫、先生がついてるから。味方してくれる女子もいるよ。」
そして、帰りの学級会の時、男子生徒のいじめが問題になったところで、前もって話しておいた司会の学級委員から質問させました。
「それでは、○さんがどう思っているのか、聞いてみたいと思います。」
言葉を発するのに、数秒かかりましたが、
「嫌なことはされたくありません。もうやめてください。」とはっきり言うことができました。
「ほら、みんな、聞いた?○さんは嫌なんだよ。人が嫌がるようなことをするんじゃないよ。」
いつもおとなしく、人前で大きな声を出したことがなかった彼女にとっても一大決心で、勇気がいることだったと思います。
はっきりと言われたことで、彼らは何も言えず、その後、彼女へのいじめもなくなりました。
彼女自身は少し明るくなり、周りとも笑顔で接することが増えてきました。
自分の気持ちをはっきり伝えられたことで、少し自信がついたのだと思います。
いじめは絶対にしてはいけないことです。
でも、どの社会でも起こり得ることでもあるので、いじめに負けない強い心をもつことも必要ではないか、まずは教師がその良き相談者になるべきだと思います。
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