元教師による支援局[教師&保護者向け]世代間のギャップ(1)

2016.08.27

夏休みを利用して、久しぶりに教え子と会いました。

今年の4月から、国語の教師として他市の中学校に赴任した生徒です。
実家を離れての一人暮らし、多忙な日々を何とか奮闘しているようでした。

同期の人が、赴任して間もなくメンタル面で仕事が厳しくなり休んでいるとか、やはり大変だなと思いましたが、その中でも生徒たちと楽しく過ごしているということで、少しほっとしました。

彼の教師としての仕事ぶりを聞いているうちに、ギャップを感じたというか、驚いたことがありました。

早朝の部活動練習から放課後遅くまで、毎日がへとへとだという状況でも、生徒が可愛く、先輩教師からもよく面倒をみてもらっているということなので、明るく、人なつっこい人柄が、周りからも受け入れられているのだろうと思いました。

でも、先輩教師から、思いがけないことで注意を受けたことがあったそうです。
掃除中に雑巾をベランダで絞っていたところを「それはだめだ。」というように注意されたということでした。

掃除

”ベランダで雑巾を絞るなどという非常識なことは、教師として考えられない、当然の指摘だね。”と言うと、

「僕の中学校3年間、ずっとやっていたことだけど、誰にも注意されなかった。机の上に腰掛けるのもダメだと言われたし、今まで、それが悪いことだとは思っていなかった。」ということでした。

中学校時代に私たち教師は注意していたことで、たまたまその姿を見咎められなかっただけだと思いますが、私にとっては、かなりの衝撃でした。

学生時代の経験が、大人になってもそのまま常識として身についてしまうことがあるのかと思いました。

中学時代の彼は、やや幼い面があり、素直に何事も受け入れてしまうようなところがありました。当時はルールやマナーに反することを注意される機会がなく、大人になっても悪気なくやってしまったのでしょう。

でも、なぜいけないのか?

「ベランダは外だし、誰にも迷惑をかけることではない。、雑巾の泥水ぐらい捨ててもいいのではないか。」という考え方です。

”なるほど、これが若者の考え方か。” 価値観の相違なのかとギャップを感じる反面、学校で教わったこと、教わらなかったことが、その後の考え方や行動に影響を与えるということを実感しました。

これは些細なことですが、彼だけのことではなく、現代は彼のような若者が増えているのではないかと思います。

卒業してからも、さまざまな事を学んで大人になるものですが、成長の過程での教育の難しさを痛感しました。


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