元教師による支援局[教師向け]学年セクト

2016.08.20

学校では、教師たちは同じ目標に向かって取り組みますが、何と言っても教師間でのチームワークが大切になります。

生徒指導が困難でストレスがたまるような状況でも、教師たちが互いに励まし合ったり、アドバイスし合ったりすることで救われることがあります。

職員室に戻ると、ほっとできる雰囲気が生徒指導にもいい影響を与えると思います。

しかし、学校全体で考えなくてはならないのに、学年セクトができて「うちの学年さえ良ければ」、という状況になったことがありました。

ある日の放課後です。

教師たちが校内を見回っていたとき、男子トイレの天井に隙間があることに気づき確認したところ、天井裏から成人向け雑誌が数冊出てきました。

当然、騒動になりました。

誰の仕業か?

各学年で思い当たる生徒の名前が飛び出し、それぞれに対応しようということになりました。

特に、3学年の教師たちは自分の学年生徒の行為だという確信をもったかのように、慌ただしく動いていました。

私たち2学年内でも、トイレの場所や日頃からの生徒たちの様子から、数名の男子生徒に心当たりがあったので、早速聞いてみたところ、素直に認めました。
”家から持って来た子が、友人たちに見せ、密かな楽しみとして、どこかに隠しておこうということになり、たまたまトイレの天井裏に目がいった。”ということでした。
思春期の男子の行為として、半ばあきれながらも厳重に注意して終わりました。

”お騒がせしました。”ということで、職員室に戻り他学年に伝えたところ、3年の20代の女性教師から「ああ、良かった。うちの学年じゃなくて。」という声があがったのです。

私や周りの教師は、思わず絶句しました。

どの学年の生徒も同じ学校の生徒のはずです。ささいな問題でも、学年の枠を越えて見守ることが大切なのに、自分の学年さえ良ければそれでいいのかと腹立たしく思いました。

でも、この件だけでなく、それまでも学年間での変な競争意識があったように思います。私自身も気づかないうちに、学年セクトという考えをもっていたかもしれません。

学年からは問題を起こさないように学年中心で考え、何かが起きても内々に処理するような体制では、いい学校作りはできません。

その後の生徒指導困難校での経験で、考え方が変わりました。毎日が戦闘のような状況では学年セクトなどと言っていられないのです。

学年の枠を越えた教師間のチームワークがいかに大切か、生徒たちにどんな影響を与えるかを実感しました。

学年セクト


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